Rising Sun or Setting Sun?(太平洋戦史・国際通信社)

 ルールは、僅か4ページ。
 しかも、そのルールの解説書まで付いているんだから、あなた、ルールミス等、起こるはずもない?
 いえいえ、それが、アリエールのですよ。
 
 今回のプレイでも、連合軍が占領した港湾には、すぐに、連合軍基地マーカーを置くのに対して、「3、補給フェイズa、港湾の攻略」まで、変化が無いと思っていた事。(解説書P8の港湾支配の例)
 戦闘開始直前に、「撤退作戦」カードなしに、勝手に退却する日本軍。
 解説書P10 「6.2 カードの取得」 増援フェイズに、日本軍がボルネオ島を日本軍が支配していれば、カード2枚が手札に入ると記述されているが、インドシナ・ヒィリピン双方が、連合軍支配下にある場合、完全にシーレーンが断たれているのに、カードの取得は、可能なのか?
 これを明文化したルールはどこにも、書かれていない。

 この様に、初心者向けゲームでも、我々は、大なり小なりルールミスを犯している。
 特に、1プレイ2時間程度のゲームを1回こっきりで、遊んでいる我々には、顕著だと思う。
 私のブログにも、時々、ゲーム上のルールの問題点を指摘したコメントが寄せられる事がある。
 なぜ、こんな事を書くかと言うと、今回のゲームは、熱中し過ぎて、ログ(記録)や写真の取り忘れが、多いからである。
 
 本当ならば、数をこなして感想戦で稼ぐ「はやる」さんの様なブログが、良いのであろうが、1カ月に1ゲームでは、それは、あまりにも寂しいし集客力もない。
 しかし、本来は、新潟市に埋もれているシミュレーション・ゲーマーを発掘する当方のブログは、未だ、1名の発見者もいない。
 
 さて、前置きが、長くなったが、いよいよ、「太平洋戦史」について、説明しよう。
 このゲームの肝は、カードである。
 ある作戦フェイズで、主導権(先攻)を取ろうと思えば、艦隊に補給を与えて行動面に戻そうと思えば、
港湾を占領しようと思えば、自軍の作戦を有利にしようと思えば、すべてカードが必要である。
 カードは、貴重なので、唯、主導権を取るだけのためだけに、1枚は、無駄にしたくない。
 そんな時は、ダイスを振って大きな目を出した方が、先にプレイする。
 但し、バッティングした場合は、すぐさま、作戦フェイズが、終了する。
 このゲーム、結構、ダイスを使用しての主導権争いが、頻発する。

 ゲーム開始時、日本軍は、4枚のカードを保有している。
 そして、第1ターンから、ボルネオ島を占領しているターン毎に、2枚ずつの補充がある。
 一方、連合軍は、第1ターン2枚、第2ターン3枚、第3ターン4枚、第4ターン8枚、第5ターン10枚と予め決定されている。
 一見すると、連合軍の方が、有利に見えるが、ゲーム後半の連合軍は、勝利条件と競合するので、結構厳しい物がある。

 ゲーム・ターンは第0ターンが、1941年12月のみで、後は、1ターン=半年で、推移する。
 しかし、日本軍が好調だと、第5ターン(1944年前半だが、増援スケジュールを観ると、1年に等しい)は、プレイされずに、終了する。
 
 勝利条件は、第4ターン終了時、日本軍が+5点以上ならば日本軍の勝利、連合軍が+1点以上ならば連合軍の勝利、0~日本軍+4点ならば、第5ターンをプレイする。
 第5ターンは、連合軍+5点以上ならば、連合軍の勝利、連合軍+4点以下ならば、日本軍の勝利である。
  
 ユニットには、空母・陸上機にのみ、空襲時の戦闘力が、他の艦艇は水上戦時の戦闘力が、各々プリントされており、他に、防御力・速力・艦名・配置記号又は、登場ターンが、プリントされている。
 面白いのは、翔鶴・瑞鶴が、重装甲なのに、ビッグEこと、エンタープライズは、通常艦である。
 勿論、大和・武蔵も重装甲艦で、6の目以外では、沈没しない。

 基地の占領は、単に敵ユニットを除去した瞬間に可能だが、港湾の占領(たとえ、自軍の基地になっていたとしても)空襲力・水上戦闘力合わせて20戦力で1地上戦力に換算する。
 後は、カード1枚を1地上戦力として、使用する。
 中には、地上戦力=2を持つカードも、ある。

 実は、勝利条件とは、この港湾の得点と両軍の占領した基地数の多い方に、1点が、加えられる。
 日本本土=5、ハワイ・オーストラリア=3、シンガポール・ヒィリピン・セイロン島=2、サモア諸島・トラック島・インドシナ=1である。

 移動は、3移動力あり、基地・港湾・ポイント(遠距離航海のため2移動力消費)を経て、敵のいる基地・港湾に侵入したら、そこで、戦闘を行う。
 移動力が0の艦艇は、自軍の基地・港湾のみの移動に限り、3移動力を持つ。
 例えば、アメリカの旧式戦艦群なのだが、自軍の基地にしたが、未だ、敵の港湾だった場合の攻略には、役に立つ。

 しかし、移動力3ないと攻勢には、使いづらい。
 敵と戦闘するために、残移動力が2の艦隊は2ラウンドの、残移動力が1の艦隊は、1ラウンドの戦闘の延長が可能であるからである。
 移動力の異なる艦艇同士の編成だと、移動力の低い艦艇にあわせなければならないためである。

 戦闘は、1ラウンドに、まず、空襲を1回行う。
 これは、相手のユニットを選べる。
 空襲力を合計して、それに当てはまるコラムを探す。
 その後、ダイスを1個振って結果を調べる。
 大体、「1」で、戦艦・空母を撃沈する破壊力があるそうだ。
 そう、このCRTでは、何隻の敵艦に損害を与えたかを求めるのである。
 空襲の的になったユニットは、ダイスを1個振る。
 防御力より、大きな目がでれば、撃沈である。
 防御力より小さい場合、その目と同数のターン後に再登場する。
 
 空襲が終了した後、攻撃側から、退却を宣言出来る。
 この時、一部の艦艇だけを退却させるのは、許されない。
 すべてが、留まるか、退却するかである。

 双方、退却しなかった場合は、水上戦が行われる。
 これは、損害を与える艦艇をこちらは、選択出来ない。
 相手プレイヤーが、決定する事である。
 空襲も水上戦も、同じCRTを使用する。

 水上戦が終了すれば、1ラウンド終了であるが、ここで、再び、退却を宣言出来る。
 もし、退却しなければ、再び、空襲から繰り返す。
 これを、敵が、退却するか、全滅するかまで、繰り返す。
 攻撃側の戦闘ラウンドが、続く限りは・・・。

 他にも、細々としたルールは、山程あるが、今回は、これ位にして、リプレイに入ろうと思う。
 今回は、日本軍は、OASE新潟の「はやる」さん、連合軍は、私こと朱鷺羽想(ときわそう)が、担当する。

 まず、第0ターンの真珠湾空襲とマレー沖海戦。
 真珠湾空襲は、コラム「+31」の欄で2、すなわち、6隻にダメージを与える結果となる。
 ウェスト・バージニア、メリーランド、カリフォルニア、ネバダ撃沈。
 アリゾナ、2ターン目の増援。
 オクラホマ、3ターン目の増援。
 史実以上の結果である。
 続いて、マレー沖海戦。
 こちらは、P.O.ウェールズの撃沈のみである。

 第1ターン、日本軍は、シンガポール・ヒィリピン・ボルネオ島を占領しなければ、戦争を続けられないので、
必死である。
 本土に南雲機動部隊と一部の艦艇を残し、全戦力で、侵攻してきた。
 
 まず、比島攻略戦であるが、太平洋戦争初の水上戦になるも、ヒューストンしかいないので、軽く一蹴。
 続いて、シンガポール攻略戦で、日本軍は、加古・古鷹が、沈没、連合軍は、レパルス、エクセターを撃沈され、さらに、別働隊が、ボルネオ島のデ・ロイヤルを撃沈した。

 ここに来て、日本軍は、20戦闘力以上の艦隊戦力とカード1枚ずつで、シンガポールとフィリピンを攻略した。
                 得点:日本軍+1

 第2ターン、日本軍が、攻勢を取れる最後のターンとなろう。
 なんと、ほぼ、全兵力で、セイロン島へ攻めて来た。
 ここで、日本軍は、サクセンカード「驚異的な命中率」(CRTが右へ2コラム・シフト)と水雷戦隊の活躍(第1次ソロモン海戦を再現したもので、日本軍の水上戦闘の結果の適用後、連合軍の水上戦闘の結果を適用すると言うもの。通常は、同時解決。)
 対する連合軍は、艦種誤認(珊瑚海海戦で見せた日本軍の空母と油送船ネオショーの見間違い)のみ。

 第1次セイロン沖海戦。
 空襲は、日本軍は、コーンウオール、シュロップシャー、イラストリアス撃沈。
 ドーセットシャー、デボンシャー、R.ソブリン、ラミリーズの第3ターンの増援である。
 こちらの空襲は、全弾ハズレ。
 
 水上戦は、リベンジ・レゾリューションが、第3ターンの増援。
 ウォースパイト、バリアントが、第5ターンの増援となった。
 最も、この4戦艦は、第3ターンの増援フェイズに、ヨーロッパに帰還する予定の艦ばかりである。

 第2次セイロン島沖海戦。
 空襲は、翔鶴撃沈、瑞鶴を第3ターンの増援とした。
 日本軍は、インドミダブル、フォーミダブル、ハーミスを撃沈した。
 
 これで、セイロン島を防護する艦艇は、すべて存在しなくなった。
 早速、日本軍は、カードと艦隊で、セイロン島を占領した。


 余談ながら、アッツ島に、小艦隊を分派しておいたら、日本本土艦隊が虚を突き来襲し、ペンシルベニア、ニューオリンズ、サンフランシスコを撃沈し、テネシーを4ターンの増援へと押しやった。
侮りがたし、日本軍。

                得点:日本軍+4



IMG_0317.JPG



 第3ターン、いよいよ、連合軍の反攻である。
 第1目標、トラック島。
 今回は、カード「潜水艦の奇襲」を使用したが、効果は、なかった。      
 トラック島沖海戦。
 今回は、「マリアナの七面鳥狩り」と「VT信管」で、日本軍の空襲は、左へ3コラムするのである。
 案の定、日本軍の空襲は、「エンタープライズ」の撃沈のみ。
 連合軍の空襲は、飛龍、加賀、霧島を沈没させ、赤城を第4ターンの増援に、そう龍(漢字変換出来なかった)、比叡を第5ターンの増援とした。

 水上戦は、ほぼ引き分けに終わり、日本軍が、麻耶、鈴谷、最上を失い、鳥海が、第4ターンの増援となった。
 連合軍は、チェスター、ルイビル、ペンサコラが沈没、ポートランドが、第4ターンの増援となった。
 日本軍が、存在しなくなったので、早速、トラック島を占領した。


                得点:日本軍+7

 第4ターン、いよいよ、ヒィリピンの奪還である。
 日本軍は、カード「伊号潜水艦の活躍」で、空母ワスプを史実通り、沈める。
 第1次比島沖海戦。
 日本軍は、機動部隊を温存する。
 一方的な空襲で、金剛、利根、愛宕、足柄が沈没し、妙高、高雄が、第5ターンの増援、羽黒、筑摩が、リタイア(第6ターン以降の増援となるので、ここでは、便宜上、リタイアと表現する。)となる。
 
 一端、トラック島に帰港して、カードで、再補給して、再び、比島に向かおうとすると、日本本土から、単艦で、マリアナ諸島へ割り込んでくる艦があった。
 どうやら、カードの無駄遣いをさせる腹らしい。
 一部の艦隊をこれに向かわせる。
 マリアナ沖海戦は、引き分けで、青葉とアストリアが、沈没する。

 第2次比島沖海戦は、日本軍も、機動部隊を投入して来る。
 空襲で、日本軍の損害は、飛鷹が沈没、隼鷹がリタイア、赤城が5ターン目の増援となる。
 連合軍は、ワシントン、サウス・ダコタが、第5ターンの増援、ノース・カロライナが、リタイアである。

 続く水上戦だが、日本軍は、陸奥がリタイア、鳥海が、沈没である。
 連合軍の損害は、キャンベラ・プリンストンが沈没、オーストラリアが第5ターンの増援、インディアナ、アラバマが、リタイアである。
 ヒィリピンが、連合軍の基地となる。

 三度、トラック島で、再々補給して、インドシナに侵攻する。
 インドシナ沖海戦である。
 残念ながら、この時の日本軍の損害のログ(記録)が無い。
 プレイに熱中し過ぎて、忘れた物と思われる。
 この場を借りて、読者諸氏にお詫びをしたい。
 一方、連合軍の損害は、ビンセンス沈没、クインシー、ノーサンプトン、ソルト・レイク・シティが、第5ターンの増援となった。
  最後のカードで、インドシナを占領下にして、今ターンを終了した。

               得点:日本軍+4



IMG_0318.JPG



 第4ターン終了時、日本軍が+4点なので、第5ターンをプレイする予定であった。
しかし、私の所用のため、ゲームをここで、終了しなければならなかった。
 連合軍が、勝利するためには、日本本土を陥落させるサドンデス勝利条件しかないが、それは、現段階では、少々、難しいと判断された。
 一応、「はやる」さんの勝利としたが、もし、第5ターンをプレイしていたら、Rising Sun になるのか、
Setting Sunになるのか、それは、誰にも、分からなかった。




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